Claudeで音声要約する方法|MacでWhisper文字起こし連携 【2026年版】
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はじめに ― なぜこの環境を作ろうと思ったか
打ち合わせのボイスメモ、取材録音、オンライン会議のアーカイブ…。
溜まっていく一方で聴き返す時間はない。
そんな悩みを解決しようと、「音声 → 文字起こし → 要約 → Notion保存」を自動化する環境を構築しました。
使ったのは OpenAI の音声認識モデル Whisper(ローカル動作)と、要約・整理に Claude。
ClaudeはNotionと連携しているため、要約結果をそのままNotionページに保存することも可能です。
本記事はインストール中に実際に発生したエラーと、Claudeに相談しながら解決した過程をそのまま掲載しています。同じ環境で詰まった方の参考になれば幸いです。
前提条件の確認(Homebrew・チップ種別)
Homebrewのインストール確認
Whisperのインストールには Homebrew(macOS用パッケージマネージャー)が必要です。まず入っているか確認してください。
brew --version
# 例:Homebrew 4.x.x と表示されればOKコマンドが見つからない場合は brew.sh からインストールしてください。
⚠ Intel Mac か Apple Silicon か を必ず確認してください
MacBook Pro / Mac miniなど、2020年後半以降のMacはApple Silicon(M1/M2/M3/M4チップ)を搭載しています。 IntelとApple Siliconではhomebrewのインストールパスが異なるため、コマンドを間違えると動作しません。
uname -mx86_64 と表示された場合 【Intel Mac】
| Homebrewパス | /usr/local/opt/ |
| 対象機種 | 2020年以前のMac |
本記事のコマンドはこの環境で検証済みです。そのまま実行できます。
arm64 と表示された場合 【Apple Silicon(M1〜M4)】
| Homebrewパス | /opt/homebrew/opt/ |
| 対象機種 | 2020年後半以降のMac |
記事内の /usr/local/opt/ を /opt/homebrew/opt/ に読み替えて実行してください。
Apple Silicon Macで /usr/local/opt/ のパスを使うと「No such file or directory」エラーになります。このエラーが出た場合はパスの読み替えを確認してください。
Whisperのインストール(macOS Sonoma)
筆者の検証環境:MacBook Pro(Intel)/ macOS Sonoma。コマンド内のパスは /usr/local/opt/(Intel)を使用しています。
Apple Silicon(M1/M2/M3/M4)の方は /opt/homebrew/opt/ に読み替えてください(前セクション参照)。macOS Sequoia以降でも基本手順は同じですが、エラーの内容が若干異なる場合があります。
ターミナルから、以下のコマンドを上から順に実行してください。順番が重要です。特にPythonとLLVMのバージョン指定は外せません。
① Python 3.11 のインストール
brew install python@3.11② cmake のインストール
brew install cmake③ LLVM@20 のインストール
brew install llvm@20④ openai-whisper のインストール
Intel Mac の場合
LLVM_CONFIG=/usr/local/opt/llvm@20/bin/llvm-config \
CMAKE_PREFIX_PATH=/usr/local/opt/llvm@20 \
/usr/local/opt/python@3.11/bin/pip3.11 install openai-whisperApple Silicon Mac(M1/M2/M3/M4)の場合
LLVM_CONFIG=/opt/homebrew/opt/llvm@20/bin/llvm-config \
CMAKE_PREFIX_PATH=/opt/homebrew/opt/llvm@20 \
/opt/homebrew/opt/python@3.11/bin/pip3.11 install openai-whisper⑤ NumPy のダウングレード
Intel Mac の場合
/usr/local/opt/python@3.11/bin/pip3.11 install "numpy<2"Apple Silicon Mac(M1/M2/M3/M4)の場合
/opt/homebrew/opt/python@3.11/bin/pip3.11 install "numpy<2"これで Whisper のインストールは完了です。エラーが出た場合は次のセクションへ。
つまずきポイントと解決策
実際のインストール中に発生したエラーを4つ紹介します。すべてClaudeにエラーメッセージを貼り付けて相談することで解決できました。
- Python 3.13 / 3.14 で
pkg_resourcesエラーが発生する
→ Python 3.11 を明示的に指定してインストールする。最新Pythonは非対応。 cmakeがないと llvmlite のビルドに失敗する
→brew install cmakeを先に実行してからWhisperをインストールする。brew install llvmでインストールされる LLVM 22 は llvmlite が非対応
→brew install llvm@20でバージョンを固定し、パスもllvm@20を指定する。- NumPy 2.x 系は torch と非互換でエラーになる
→pip install "numpy<2"でダウングレードする。
文字起こしコマンドの実行
インストール完了後、以下のコマンドで文字起こしが実行できます。
Intel Mac の場合
/usr/local/opt/python@3.11/bin/python3.11 -m whisper "音声ファイルのパス" --language ja --model small --output_dir ~/DesktopApple Silicon Mac(M1/M2/M3/M4)の場合
/opt/homebrew/opt/python@3.11/bin/python3.11 -m whisper "音声ファイルのパス" --language ja --model small --output_dir ~/Desktop各オプションの意味は以下の通りです。
- –language
ja(日本語) - –model
small(精度と速度のバランス) - –output_dir 出力先フォルダ
モデルは tiny(最速)から large(最高精度)まで選べます。
日本語の会議録には small または medium がおすすめです。
便利コマンド設定(transcribeコマンド)
毎回長いコマンドを打つのは大変です。シェル設定ファイルにシェル関数を登録して、transcribe の一言で呼び出せるようにしましょう。
出力先はデスクトップ > 文字起こし > 実行日付フォルダに自動保存されます。
macOS Catalina(2019年)以降、デフォルトシェルはZshに変わっています。~/.bash_profile に書いてもZshでは読み込まれません。まず自分のシェルを確認してください。
シェルの確認
echo $SHELL
# /bin/zsh → Zsh(macOS Catalina以降のデフォルト)
# /bin/bash → Bash(古いMacまたは手動変更済み)設定コマンド(1回だけ実行)
Zsh の場合(macOS Catalina以降のデフォルト)/Intel Mac
echo 'transcribe() { FOLDER=~/Desktop/文字起こし/$(date +%Y%m%d); mkdir -p "$FOLDER"; /usr/local/opt/python@3.11/bin/python3.11 -m whisper "$1" --language ja --model small --output_dir "$FOLDER"; }' >> ~/.zshrc && source ~/.zshrcZsh の場合/Apple Silicon Mac(M1/M2/M3/M4)
echo 'transcribe() { FOLDER=~/Desktop/文字起こし/$(date +%Y%m%d); mkdir -p "$FOLDER"; /opt/homebrew/opt/python@3.11/bin/python3.11 -m whisper "$1" --language ja --model small --output_dir "$FOLDER"; }' >> ~/.zshrc && source ~/.zshrcBash の場合(古いMac・手動変更済みの方)
echo 'transcribe() { FOLDER=~/Desktop/文字起こし/$(date +%Y%m%d); mkdir -p "$FOLDER"; /usr/local/opt/python@3.11/bin/python3.11 -m whisper "$1" --language ja --model small --output_dir "$FOLDER"; }' >> ~/.bash_profile && source ~/.bash_profileフォルダ構造
~/Desktop/
└── 文字起こし/
└── 20260420/
├── meeting.txt # 文字起こしテキスト
├── meeting.srt # 字幕ファイル
└── meeting.json # タイムスタンプ付きデータ使い方
- ターミナルを開く
新しいターミナルウィンドウを起動します(設定後は再起動不要)。 transcribeと入力してスペース
コマンドを打ったらEnterは押さず、スペースキーを1回押します。- Finderから音声ファイルをドラッグ&ドロップ
ターミナル上にファイルをドロップするとパスが自動入力されます。 - Enterキーで実行
文字起こしが完了すると、デスクトップの日付フォルダに .txt ファイルが生成されます。
Claudeで要約する方法
文字起こしが完了したら、生成された .txt ファイルをClaudeのチャット画面にアップロードするだけです。 難しい操作は一切ありません。
- claude.ai を開く
ブラウザで claude.ai にアクセスし、ログインします。 - .txtファイルをアップロード
チャット入力欄の添付アイコンから、デスクトップの文字起こし.txtをアップロードします。 - 要約を依頼する
「この会議の内容を議事録形式で要約してください」など、希望の形式を指定して送信します。 - Notionへ保存(オプション)
ClaudeはNotionと連携しているため、要約結果を「このページにNotionで保存して」と指示するとそのままNotionに書き込めます。
「決定事項・アクションアイテム・次回までのタスク」などの形式を指定すると、すぐ使える議事録が出来上がります。
ローカルWhisper vs Whisper API の比較
同じWhisperでも「ローカルで動かす方法」と「OpenAIのAPIを使う方法」では特性が大きく異なります。業務利用を想定した場合の比較をまとめました。
| 項目 | ローカルWhisper(推奨) | Whisper API |
|---|---|---|
| 処理場所 | 自分のMac / PC内で完結 | OpenAI のサーバー |
| 費用 | 完全無料(PC性能次第) | 有料(従量課金) |
| 料金目安 | 0円 | 約0.006ドル/分(約1円/分目安) |
| プライバシー | 音声データが外部に出ない | 音声データをOpenAIに送信 |
| オフライン利用 | インターネット不要 | 不可(インターネット必須) |
| 導入難易度 | やや高い(初期設定あり) | 低い(APIキー取得で利用可) |
| 処理速度 | やや遅い(PC性能依存) | 高速(数秒〜十数秒) |
| 向いている用途 | 機密情報・社内会議・継続利用 | 大量処理・即時文字起こし・アプリ連携 |
打ち合わせや商談など業務上の機密情報を含む音声には、データが外部サーバーに送信されないローカル方式を強くおすすめします。
まとめ
今回構築した環境を振り返ると、無料・オフライン・プライバシー安全の三拍子がそろったローカルWhisperと、 高度な要約・整理が得意なClaudeの組み合わせは、業務効率化において非常に強力です。
- ランニングコスト → 完全無料
- データの安全性 → ローカル完結
- 日常の操作 → ドラッグ&ドロップ一発
- Claudeとの連携 → 要約〜Notion保存
初期設定は手間がかかるが、一度設定すれば毎回 transcribe + ドラッグ&ドロップだけで完結
→ エラーはClaudeに貼り付ければ解決できる
macOSのバージョンが違ってもClaudeに相談すれば対応策を教えてもらえる
→ エラーメッセージ + 「解決策を教えて」で十分
文字起こし.txtをClaudeにアップロードするだけで議事録・要約が完成
→ Notionへの保存もClaudeが代行してくれる
本記事のインストール手順は、まさにClaudeと一緒に試行錯誤して完成させたものです。
AIとの対話によるトラブルシューティングは、一人で調べるよりはるかに速い。ぜひ環境構築も含めてClaudeを活用してみてください。
エラーメッセージが出たら、そのままClaudeのチャットに貼り付けてください。
「このエラーの原因と解決策を教えてください」と一言添えるだけで、状況を分析して具体的なコマンドを提示してくれます。筆者もこの方法で全てのエラーを解決しました。